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2010. 12. 15.

市場競争を背景に確立されたアメリカ医療と国の下に発展した日本医療――「医療経済学を語る」Vol.3

「医療経済学を語る」シリーズの最後に、ビル氏・ジェイ氏には、GHC会長アキよしかわとの出会いから今日まで、また日本の医療の展望についてインタビューを行いましたので、内容をお伝えします。

ビルジェイ

――よしかわに会った時の第一印象は?

ビル 初めて出会ったのは、研究のいろはもわからない学生の頃で、そのエネルギッシュさにまず圧倒されました。寝ても覚めても研究のことを考え、アメリカと日本の医療にはどのような問題があり、それを解決するにはどうしたらいいのか、ということを常に探求している印象がありました。 研究を通して多くの時間を一緒に過ごしましたが、日常的な会話の中でも、質問は端的、かつ明瞭に、答えもシンプルで的を射たものを常に求められました。 緊張感がありましたが、日常のやりとりでも鍛えられ、今では自分も学生に対して同じことを求めてしまっています。

ジェイ アキとはその後、東大出版会から出版される本の研究を一緒に行うことになりました。 その時、日本についてまったく知らない自分たちを寿司屋に連れて行ってくれ、「まぁ、食べてみてよ!おいしいから。」と魚介責めにされた時は、肉文化で育っただけにさすがに当惑しましたね。もちろんおいしかったですよ。 その後も研究で常に一緒にいたアキの日本食好きにつきあって、いろいろと食べに行きましたね。

――お二人にとってよしかわはどんな存在ですか?

ジェイ 最初に会った時に、すでに若くして教授になっていましたから、とにかく憧れの存在。恐れ多くて、最初は恐る恐る話をしていました。 研究者として、大量の客観的データを分析することで社会の問題を見つけ出し、政策提言していく重要性を教えてくれたのもアキです。 現在の自分が行っている研究スタイル、研究者としての姿勢はこの時に育まれたもの。

――若い頃のよしかわと今のよしかわは何か変わりましたか?

ビル まったく変わらないですね。 相変わらずクイックレスポンスを求めるし、研究に対する熱心な思いが伝わってきます。 丸くなった?そんなことはないですね。会う度に、新しい話題や疑問点を求められるし、積極的に質問をしてくる。切れ味は相変わらず鋭いです。

――最後に、日本の医療の展望についてお聞かせ下さい。

ジェイ 日本の医療とアメリカの医療は、背景から全く異なります。 特に違うのが医療保険の部分で、アメリカでは患者が加入している民間医療保険と提供される医療が密接に関係していて、必ずしも自分が望む最高の医療を受けられるわけではありません。 アメリカでは、民間保険や病院において連携、競争が行われる中で、医療の無駄がそぎ落とされ、一診療ごとに評価される現在のDRGシステムにつながっていきました。

つまり、アメリカは非常に自由な市場競争を背景に、国民に対する医療が確立されてきたわけです。 一方で、日本は国民皆保険という環境の下、日本中どこに行っても、どのような医療保険に加入していようとも、ほぼ同じ水準の医療を受けることができます。 日本では国が医療をコントロール下に置き、その中で医療が発展してきたといえるでしょう。

アメリカでは保険に加入していない国民への医療が大きな問題となっていますが、日本では同じ問題は起こっていない代わりに、国民医療費の急激な増加という問題を抱えています。 国としての財政的な問題も踏まえつつ、国民に対してどのような医療を保証するか、両国の医療制度や保険、病院特性、疾患特性などの客観的データを用いて比較検討することが非常に重要です。 アメリカのDRGと日本のDPCについて、今後グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンと連携して研究を進めていくことで、何らかの示唆が得たいと思っています。


お二人の力強い協力を得ながら、今後グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンはチームを組んで研究活動にも力を入れていきます。 医療の質と経営の質の向上をめざし、全知を傾け医療の発展に寄与することをモットーに、社会とクライアントの皆さんに還元できるよう、今後もグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンは邁進していきます!

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