GHCの病院経営コンサルティングブログ

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2009年06月30日(Tuesday)

一日当たりの点数設定方法を見直し?

29日(月)、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会の会合が開かれました。
調整係数の廃止に伴う新たな「機能評価係数」の絞込みに関して何らかの新情報を期待している方も多いかと思いますが、この件に関しては、24日の中医協診療報酬基本問題小委員会に提示されたリストが示されたのみ。さらっと、話題は移りました。

この日の会合では、今後検討すべき課題として、「一日当たり点数の設定方法について」「包括払いの範囲の見直しについて」「個別の診断群分類について」「E・Fファイルについて」「様式1について」「DPC調査の通年化について」が話し合われました。

このうち、一日当たり点数の設定方法については、「入院初期の医療資源の投入量が、1日当たり平均点数に比して、非常に大きい場合」と「入院初期の医療資源の投入量が、一日当たり平均点数に比して、小さい場合」の2パターンについて検討。
まず、前者については、入院期間Ⅰの点数を、診断群分類ごとの平均に15%加算していた従来の設定から、「入院期間Ⅰの1日当たり包括範囲出来高点数の平均」に改めることで大筋、了承を得ました。
一方、後者の「小さい場合」には、点数の段差を15%から10%に縮めることとしました。

また、包括払いの範囲見直しに関しては、救急医療では診断確定までに検査・画像が多く必要で病院の持ち出しになっている現状について、「診断確定までの24時間なり、48時間なりは、DPCにそぐわない。外来のように出来高扱いに」との指摘が委員から挙がりました。これに対して厚生労働省事務局側は、「診断時に医療資源を多量投入するものは、(前述の点数設定の方法変更で)解決するのでは?」と述べましたが、委員からは「解決には至らない」と検討を求める意見が相次ぎました。

DPC調査の通年化に関しては、特に異論はなく、「通年化をしようということで、この会の考えとします」と、西岡分科会長はまとめました。このほか、E・Fファイルの統合、様式1の必須項目と非必須項目の見直しについては、賛否両論あり、結論には至りませんでした。

2009年06月29日(Monday)

「大阪発!新DPC時代の戦略的病院経営」、アツいセミナーになりました

27日(土)、大阪にてセミナーを開催いたしました。
「大阪発!新DPC時代の戦略的病院経営」と題して、GHC顧問でもある多摩大学医療リスクマネジメントセンター教授の真野俊樹先生、大阪府済生会吹田病院院長の岡上武先生、医療法人伯鳳会赤穂中央病院理事長の古城資久先生をゲストスピーカーとしてお招きいたしました。


アキさん
トップバッターのアキよしかわからは、開会の挨拶とともに、コスト分析の重要性について説明させていただきました。DPC別コスト分析システム「コストマトリックス」を活用した分析事例を紹介しながら、「出来高とDPCでの収入の増減にとらわれるのではなく、コストとの比較が重要」というメッセージを伝えました。


真野先生
続いて多摩大学教授で、DPCマネジメント研究会の代表幹事である真野先生からは、DPC対象病院、DPC準備病院、入院基本料1の算定病院を対象に行ったアンケート調査の結果について説明いただきました(1,845病院に送付、263病院から回答)。この結果からわかったポイントは、「ひとの行動が変わる」「ひとが必要になる」「病院の形を変えなければならない」「管理の形が変わる」という4つ。ひとの行動に関しては、医師と診療情報管理士、事務をはじめとしたコミュニケーションが必要になること、コストを意識した行動にならなければいけないことなど。病院の形とは、在院日数が短縮する傾向にあり、一方で空床が増えがちということで、そのため病床のコントロールなどの管理がより重要性を増すという話でした。また、「副院長が増えている」病院が270施設にも上ったそうです。


岡上先生
済生会吹田病院院長の岡上先生は、同院の取り組みについて紹介してくださいました。その時々に必要なさまざまな改革をスピーディに打ってきている同院ですが、今回紹介してくださったのは、①外来改革プロジェクト、②人事制度改革プロジェクト、③経営企画室の設置、③診療の質、改善活動、④後発品の採用活動、⑤“くわい”プロジェクト(看護部活性化のための取り組み)の主に5つ。いずれも興味深い話でしたが、ここでは「①外来改革プロジェクト」と「③診療の質、改善活動」について。
まず、外来改革は、2006年3月より、「完全予約制」「外来化学療法センター」「救急の受け入れ体制強化」「DPC導入による外来での検査」「紹介率・逆紹介率の向上」の5つを進めるプロジェクトチームを設置し、それぞれインフラの整備やセンター制の導入、8人のメディカルセクレタリーの導入等による外来機能の見直し、救急センター日直の体制強化などによる外来・救急の受け入れ体制の強化を行ってきたそうです。そうして結果、紹介率・逆紹介率ともに上がり、現在、地域医療支援病院の算定を申請中とのこと。
そして、「診療の質、改善活動」に関しては、EVEやコストマトリックスを活用した分析結果、またGHCで行った診療科ヒアリングの成果なども交えて、診療の標準化や手術件数の増加が進んでいることなどを紹介してくださいました。


古城先生
赤穂中央病院理事長で日本DPC協議会理事長でもある古城先生からは、マクロな視点からDPCについて説明がありました。特に後半は、現在検討が進められている新・機能評価係数について、問題点を示唆しつつ、解説してくださいました。
たとえば、候補の1つとして挙がっている人員配置の評価に関しては、「医師や看護師が不足しているといわれるなかで、もっと取り合いが起こるのではないか?」と指摘。また、次期改定での導入との方向性が色濃い、「効率性指標」についても、「平均在院日数を押し上げる患者を亜急性期病床などに転床させることで平均在院日数を恣意的に調整可能」「(入院期間1日以下の患者はDPC対象外なので)日帰りオペなどを積極的に手がけている病院は不利になるのでは?」などと問題点を挙げました。
ちなみに余談ですが、筋肉隆々の古城先生は、今年4月に行われた世界マスターズベンチプレス選手権のM-Ⅱ男子125㎏級で、アジア新記録を出して優勝されたそうです!


渡辺さん
さて、最後はGHC代表の渡辺から、①DPC導入時にすぐにやるべき対応策、②調整係数に代わる新たな「機能評価係数」と将来の対応策――の2本立ててお話させていただきました。

今回はちょっと久しぶりの大阪セミナーでしたが、ありがたいことに定員約200名の会場がまさに満席(定員オーバーのためにお断りをさせていただいた方々、もうしわけありませんでした)。スピーカーの先生方、運営を手伝ってくださった方々、そして当日いらっしゃってくださった方々、本当にありがとうございました。


セミナー後には懇親会も…↓
セミナー後の懇親会

2009年06月26日(Friday)

「CBニュース」スクラップランキング第1位!!

先日、このブログでも紹介させていただいた、「キャリアブレインニュース」に掲載されたアキよしかわのインタビュー記事(6月1日ブログ)。「正念場を迎える200床規模の中小病院」というタイトルで、DPC時代における中小病院の今後について語ったインタビュー記事が、なんと、キャリアブレインさんのサイトの「スクラップランキング」で現在、第1位です。

●「キャリアブレインニュース」スクラップランキング
http://www.cabrain.net/news/newsRanking1.do#scrap

サイト上に掲載されたのが、先月末。どんどん情報が更新されるサイトのなかで1位とは、ありがたい話です!
スクラップしてくださった皆様、読んでくださった皆様、ありがとうございます!!

●医療介護CB news
「医療羅針盤」
正念場を迎える200床規模の中小病院
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22262.html

2009年06月25日(Thursday)

正確なデータ提出、効率化、複雑性、カバー率の4項目は「次期改定での導入が妥当」

24日(水)、中医協・診療報酬基本問題小委員会の会合が開かれ、DPCの新たな機能評価係数について議論が行われました。先週金曜日に開催されたDPC評価分科会の会合で、今までに挙がった評価指標について「○」「△」「×」に分別されたことはこのブログでも報告しました。今回の基本問題小委員会では、19日の議論の内容と、その後、西岡分科会長と厚生労働省事務局が追加で検討した結果も合わせて、西岡分科会長から報告が行われました。
提示された項目は次のとおりです(「○」「△」として残った項目)。

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DPC評価分科会における新たな「機能評価係数」の絞込みについて(案)

Ⅰ. 次期改定での導入が妥当と考えられた項目

1.DPC病院として正確なデータを提出していることの評価
 ①部位不明・詳細不明コード/全DPC対象患者
 ②様式1の非必須項目の入力患者数/非必須項目の対象となる患者数
 ③DPC調査において、データ提出の遅滞があった回数
2.効率化に対する評価(効率性指数、アウトカム評価と合わせた評価等) 
 ①全DPC対象病院の平均在院日数/当該医療機関の患者構成が、全DPC対象病院と同じと仮定した場合の平均在院日数(再入院調査の結果と合わせて評価)
3.複雑性指標による評価
 ①当該医療機関の各診断群分類毎の在院日数が、全DPC対象病院と同じと仮定した場合の平均在院日数/全病院の平均在院日数
4.診断群分類のカバー率による評価
 ①当該医療機関で(一定数以上の)出現した診断群分類の数/全診断群分類の数

Ⅱ. 次期改定での導入を検討するため、更にデータ分析や追加調査を実施すべきとされた項目

1.救急・小児救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対応状況による評価
 ①‐1 救急車で搬送され入院した患者数
 ①‐2 救急車で搬送され入院した患者数/全DPC対象患者
 ①-3 救急車で搬送され入院した患者数/当該医療機関の所属する2次医療圏の人口
 ②-1 入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者数
 ②-2 入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者数/全DPC対象患者
 ②-3 入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者数/当該医療機関の所属する2次医療圏の人口
 ③-1 緊急入院の小児の患者数
 ③-2 緊急入院の小児の患者数/全DPC対象患者
 ④-1 救急車で搬送され入院した患者で、入院精神療法又は救命救急入院料において精神保健指定医が診療した場合の加算が算定されている患者数/全DPC対象患者
 ④-2 入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者で、入院精神療法又は救命救急入院料において精神保健指定医が診療した場合の加算が算定されている患者数/全DPC対象患者
 ⑤複数の診療科における24時間対応体制
2.患者の年齢構成による評価
 ①年齢構成指数
3.診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価
 ①診療ガイドラインを明示して、患者への治療方針の説明を行っているか否か
 ②診療ガイドラインから逸れた診療を行う場合、十分に検討をするための委員会等が設置されているか否か
 ③患者及び職員が、診療ガイドラインを閲覧できる体制・設備が整備されているか否か
4.医療計画で定める事業等について、地域での実施状況による評価
 ①3疾病(4疾病から糖尿病を除く)による入院患者数
 ②3疾病(〃)による入院患者数/全DPC対象患者
 ③3疾病(〃)による入院患者数/当該医療機関の所属する2次医療圏の人口
5.医師、看護師、薬剤師等の人員配置(チーム医療)による評価
 ①病院に勤務している各職種の職員数/全DPC対象患者
 ②病棟に勤務している各職種の職員数/全DPC対象患者
6.医療の質に係るデータを公開していることの評価
 ①特定のデータ(医療の質の評価等につながる項目)の公表を行っているか否か。
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このうち、「Ⅰ」に挙げられた4項目(正確なデータ提出、効率化、複雑性、カバー率)に関しては、「次期改定での導入が妥当と考えられる」(遠藤久夫委員長・学習院大教授)として、今後、基本問題小委員会で議論を引継ぐことになりました。一方、残りの「Ⅱ」の項目については、「合理性があると判断されたら次期改定で導入する」としたものの、再度、DPC評価分科会に戻して検討が行われることとになりました。

この日は提示された項目に対して、フリーディスカッション形式で、さまざまな意見が交わされました。議論が集中したポイントの一つは、地域医療への貢献に関して。新たな機能評価係数を考える上で、「地域医療への貢献という視点も検討する」ことが基本的な考え方の1つとして定められています。これを受けて残った項目が、「Ⅱ-4」の「3疾病(4疾病から糖尿病を除く)」に関する指標です。これに対し、委員からは「具体的な項目からは、地域医療への貢献に対する評価が見えない」「地域医療に対する貢献を考えたときに、他の疾病との差は?」「3疾病の患者さんも救急で来院するケースは少なくない。(救急医療を評価する指標は他にあるので)二重評価になるのでは?」などの指摘が相次ぎました。

また、二重評価を指摘するコメントも度々聞かれました。たとえば、特定機能病院の評価が高くなると予想される複雑性指標に関して、「特定機能病院は(入院基本料の係数が)高く設定されているので、二重評価ではないか?」と指摘。これに対して、西岡・DPC評価分科会長は、「複雑性指標は特定機能病院だけを評価する指標ではない」と説明されました。
また、効率化に対する評価に関しても、「DPC自体が入院日数を短縮するというインセンティブを与えるもので(入院期間が短いほうが点数が高いため)、大きな意味で二重評価ではないか?」という意見が挙がりました。これについては、「(二重評価になっている部分が)あるかもしれませんが、効率化を進めるにはたくさんのマンパワーを使わなければいけません。患者さんのメリットのために病院はかなりの投資をしているので評価をすべきじゃないかという考えです」(西岡分科会長)と、説明。

なお、今回絞込みが行われた項目は「DPC対象病院において評価を検討するべき項目」のみで、「急性期入院医療全体として評価をするべき項目」に関しては、診療報酬基本問題小委員会が検討を行うことになっています。

2009年06月23日(Tuesday)

茨城EVE・DPC研究会の初会合

土曜日、茨城県土浦市にある土浦協同病院に、茨城県内の10のDPC対象病院のスタッフの方が集まりました。メディカル・データ・ビジョン社主催の「茨城EVE・DPC研究会」の初会合で、私もお邪魔させていただきました。
土浦協同病院の藤原秀臣院長、松井則明副院長(DPC評価委員会委員長)の開会の挨拶に続き、会の進行役を務め、第1回の開催に至るまでのアレンジをされていた同院の情報システム管理室・船越尚哉先生から研究会設立の趣旨について説明が行われました。

続いて、各病院さんからの自己紹介タイムに。DPC分析システム「EVE」のユーザー病院さんが集まったわけですが、「この勉強会を機に、分析方法を習得したい」という病院さんもあれば、すでに「問題点の把握に役立てている」病院さんもいて、活用状況はさまざま。

この日は、船越先生からのシステムの使用状況等に関するアンケート結果と茨城県内の病院のベンチマーク結果の報告のほか、3つの病院からの事例発表がありました。

事例発表の1病院目は、水戸済生会総合病院の事務部医事課診療情報管理士・塚田さん。前半ではDPC導入前後の取り組みについて紹介、後半では厚労省の公表データやEVEを活用した分析事例として医療資源の投入状況や複雑性・効率性指標の分析などについて紹介してくださいました。
塚田さん

事例発表の2番目は、つくばセントラル病院の医事課・柴田さん。昨年からDPC対象病院となった同院における運用の紹介と、病床稼動のコントロール状況などについて説明してくださいました。
柴田さん

最後の事例発表は、土浦協同病院の船越先生。同院で行ってきた取り組みを紹介するとともに、医療の質の向上のために具体的に何をすべきか、患者・職員・病院という三方の満足を得るためにどうすべきか、など、DPC対象病院としてめざすべき姿を示してくださいました。
船越先生

それぞれの発表の終了後には、毎回、活発に質問が挙がったほか、休憩時間にはお互いに名刺交換や会話が弾み、内容も濃く、非常に雰囲気のいい第一回だったと思います。「お互いに患者さんを取り合うのではなく、茨城県内の病院で互いに情報を共有して、質の底上げをめざしましょう」という船越先生の呼びかけのもと、有意義な情報交換が行われていました。