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2014年06月04日

「DPCから地域包括ケア」転棟日から入院料を算定-疑義解釈を訂正、厚労省

 厚生労働省は2014年度診療報酬改定の具体的な運用を示した疑義解釈(その7)の中で、DPCを算定する一般病棟の入院患者が地域包括ケア病棟入院料の算定病棟に移った場合には、入院期間に関係なく地域包括ケア病棟入院料を算定するという取り扱いを示しました。これは、4月4日付の疑義解釈(その2)を訂正し、こうしたケースでは、地域包括ケア病棟入院料の算定を転棟初日から認める内容です。  新たな疑義解釈は6月2日付で地方厚生局などに事務連絡したもので、これまで6回分の疑義解釈の文言や内容の一部分を訂正したほか、診療報酬上の具体的な運用も新たに盛り込みました。7対1入院基本料の算定要件のうち、「自宅等に退院した患者の割合」が「75%以上」の基準を割り込んだ場合には、変動幅を1割以内に抑えて3か月を超えずに再び基準をクリアしたとしても、入院基本料の届出変更を猶予するルールは「適用されない」としています。  14年度の診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料が病院向けに新設されました。いずれも医療機能の分化を促し、急性期病院を退院した患者などの受け皿を充実させるのが狙いで、地域包括ケア病棟入院料は病棟単位で算定するのに対し、地域包括ケア入院医療管理料は病室や病床ごとに算定できます。  厚労省は当初、DPC算定病棟の入院患者がこのうちの地域包括ケア入院医療管理料の算定病室に移った場合には、「特定入院期間についてDPC包括算定を継続」すると説明する一方、地域包括ケア病棟入院料の算定病棟などにはこうしたルールを適用しないとしていました。  ところが、4月4日付の疑義解釈(その2)では、地域包括ケア病棟についても「DPC算定期間はDPCで算定し、出来高算定の期間になったら地域包括ケア病棟入院料が算定できる」と当初の説明と食い違う解釈が示され、現場が混乱していました。今回はこの解釈を訂正し、こうしたケースでは「入院期間にかかわらずDPC算定はせず地域包括ケア病棟入院料を算定する」と改めて明記しました。  地域包括ケア病棟入院料には、在宅復帰率や居室の面積に応じて入院料1と2があり、このうち点数が高い入院料1(2558点)に看護職員配置加算(150点)などを上乗せすると、一日当たりの点数は最大で3008点を見込めます。これに対してDPC病棟では、患者の入院が長引くほど診療報酬が低くなる仕組みなので、急性期病院にとっては、こうした患者は地域包括ケア病棟に転棟させた方が有利なケースが多いとみられます。  さらに、病気やけがの回復が進んだ軽症患者を地域包括ケア病棟に転棟させることで、点数が高い7対1入院基本料の算定病院が、引き続きこの入院基本料を算定しやすくなるというメリットもあります。このためGHCでは、一般病棟の一部を地域包括ケア病棟に切り替える動きが今後、病院現場で加速する可能性が高いとみています。 厚生労働省ホームページ「疑義解釈資料の送付について(その7)