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2014年07月29日

医療・介護の整備計画に整合性を、総合確保方針の検討スタート、9月告示へ

 医療と介護サービスの整備を一体的に進めるため、「医療介護総合確保方針」の具体化に国が乗り出しました。7月25日には医療、介護、自治体関係者らによる厚生労働省の「医療介護総合確保促進会議」が初会合を開き、総合確保方針の中身にどのような内容を盛り込むべきかや、医療機能の分化や介護サービスの充実を促すため、消費税財源を使って創設する新たな基金の使い道をめぐり意見交換しました。メンバーからは、医療・介護連携を促す人材の確保を訴える声が相次ぎ、厚労省はこうした声を踏まえて総合確保方針の中身を固めます。  医療と介護を整備するため、各都道府県と市町村は医療計画や介護保険事業支援計画とは別に、新たな事業計画をそれぞれ作ります。総合確保方針の策定は、これらの計画の中身に整合性を担保するのが狙いです。  正式な総合確保方針は厚生労働相が9月中に告示する見通しです。この方針には医療、介護関係者の意見を盛り込むことになっていて、厚労省は8月下旬に開催を予定している2回目の会合で、初会合で挙がった意見を反映させたたたき台を提示します。9月上旬にも会議での意見を取りまとめたい考えです。  一方、新たに創設する基金は病床の機能分化や在宅医療・介護サービスの充実を促すための財政支援という位置付けです。この6月に成立した医療介護総合確保推進法に基金創設が盛り込まれ、14年度分には604億円規模の予算を確保しています。まずは病院による回復期病床への転換などに限定し、15年度以降は介護関連の事業などにも拡大していくという流れです。  厚労省によると、初年度には総合確保方針の告示後に基金の交付要綱を通知し、11月には交付先を決定します。会議では今後、診療報酬や介護報酬と基金の役割分担なども話し合います。  2018年度には診療報酬と介護報酬の改定が重なり、医療計画と介護保険事業計画が新しいものに同時に切り替わる見通しで、国はこのタイミングが制度上の節目になるととらえています。25年以降の急激な医療・介護ニーズの増加に対応するため、厚労省の担当者は初会合の席上、総合確保方針の中身は18年を見据えたものにする必要性を強調しました。  意見交換では、「医療と介護の計画を実行するためには人的資源が不可欠。これをどう確保し供給するかを、総合確保方針には必ず入れるべきだ」と相澤孝夫委員(日本病院会副会長)が主張するなど、人材の確保や育成の必要性を訴える意見が相次ぎました。  一方、荒井正吾委員(奈良県知事)は、地域住民の健康寿命を指標にして、DPCデータを使って地域ごとの医療や介護プロセスの違いを検証する仕組みづくりを提案しました。