事例紹介

2015年02月27日

経営改善につながる何らかのヒントを 与えてくれる積極的な活用が院内の理解と 院外の人材を呼び寄せる

病院名 長崎原爆病院 設立母体 公的病院
エリア 九州地方 病床数 297
病院名 長崎原爆病院
設立母体 公的病院
エリア 九州地方
病床数 297
コンサルティング期間 5年間
病院ダッシュボードχ
  • ・地域医療構想下の病床機能戦略
  • ・診療科パスアセスメント
  • ・集患・地域連携

短時間で準備、明確なプレゼンを支援

 病院ダッシュボードは、病院経営の改善につながる何らかのヒントを与えてくれます。「これから分析するぞ」と意気込まなくても、通常業務の合間のほんの少しの時間に見るだけでも、示唆に富む情報を得ることができます。

 当院担当のコンサルタントの方が、病院ダッシュボードを使って様々な分析を最初にしてくれていたこともあって、それをお手本に最初から自分なりに積極的に使っていってみました。当初は様々な角度から細かくDPC分析をやってみて、会議用の資料を作ってみたりしたのですが、あまり経営幹部らの関心を集めることができませんでした。それが「財務分析」の機能を使って、財務的な観点からの資料を作成したら、思いのほか幹部らの反応が良かったのには驚きました。まずは、各病院のカラーに合うデータや視点を探り当てるまで、色々と試してみることが必要なのでしょう。

 具体的には、「財務分析」と「外来分析」の機能を活用し、外来分析のデータを示した時のことが印象に残っています。急性期病院として入院医療に注力したいのは当然ですが、選択と集中をするために外来患者の整理と今後の当院が取るべき方向性を決断することも欠かせません。その現状把握と今後の判断をするために、切り口として診療費別の患者数と診療収入の占める割合を提示しました。すると、外来診療費5000円未満の患者述べ数は全体の30.55%を占めている一方、外来診療費合計金額に換算すると全体の4.24%に過ぎなかったのです。この状況がデータを用いて可視化されたので、忙しい先生たちにも、短時間で分かりやすい説明をすることができました。


会議だけでなく職員募集でも活躍

 院内の会議にとどまらず、次年度の職員募集の資料作成でも、病院ダッシュボードは活躍しました。病院ダッシュボードを契約すると、GHCが毎月10日に発行する月刊「メディ・ウォッチ」を購読することができます。同誌の特集企画で病床規模別の管理栄養士および栄養士数のアンケート企画(37施設が対象)があったのですが、300~499床の病院の100床あたり平均管理栄養士数は1.8人となっていました。当院は360床なので、平均から考えると1.8人×3.6≒6.5人となり、現状の6人では平均値より少ない配置であることが分かりました。

 さらに病院ダッシュボードの各種管理料・指導料などの加算の算定率をベンチマーク分析できる「チーム医療plus」を用いることで、どの部署や診療科の算定率が全国平均と比較して低く、人員が必要なのかも明らかにしました。それらのデータを知った上での新規職員募集となったので、単なる欠員補充という位置付けではなく、今後の病院戦略や部署の目標が明確なアグレッシブな職員募集につながりました。既存の職員にとどまらず、未来の職員の改善にもつながり、容易かつ瞬時に欲しいデータを得ることができるのが、病院ダッシュボードの強みだと感じています。


長崎原爆病院
住所:〒852-8104 長崎県長崎市茂里町3-15
http://www.nagasaki-med.jrc.or.jp/
●病床数:350床 ●標榜科目:内科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科