お知らせ

2023.05.26

国内最大コロナ現場の舞台裏を語る、東京医科歯科大学病院の若林健二・集中治療部長を招き社内勉強会

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大期、国内で最も多くの患者を受け入れた東京医科歯科大学病院(東京都文京区、813床)。その最前線でご活躍された同院の病院長補佐兼ベッドコントロールセンター長兼集中治療部長の若林健二先生(詳細はホームページ)を招き、社内勉強会を5月12日に開催したのでお知らせします。

当社社内勉強会でご講演いただいた若林先生(画面上部中央左)

当社社内勉強会でご講演いただいた若林先生(画面上部中央左)

ご講演のテーマは「コロナ禍の病院運営~力を併せて未来を拓く~」。ご講演では、(1)コロナ初期対応の舞台裏(2)ベッドコントロールセンター(BCC)について(3)集中治療医の視点から考える当院のこれから――の大きく3つをご紹介いただきました。

若林先生は、当社コンサルタントの西田と同じ東京医科歯科大学をご卒業、同じ小児科専門医というつながりで今回のご講演をお引き受けいただきました。若林先生は小児科専門医であると同時に集中治療専門医でもあり、英国留学を経て集中治療専門医に完全転向。コロナ対応では2020年2月の感染拡大前から東京医科歯科大学のコロナ対応現場の最前線でご活躍されており、同年7月にはベッドコントロールセンターを創設、2021年10月からは集中治療部長に就任しています。

コロナ初期対応の舞台裏のご講演では、重症・中等症のコロナ患者の受入体制の構築を当時の東京医科歯科大学病院の最優先事項に位置づけ、その社会的使命の初志貫徹をいかにして実現していったのかを詳説。例えば、「教科書的な対応が不可能な中、どうやって『ありもの』で間に合わせたのか」「患者も現場の医療スタッフも守るため、全学的なコロナ対応の士気向上を実現してきたコミュニケーション手法・手段とは」など、完璧を目指さず、試行錯誤を繰り返しながら走り続けてきた怒涛の日々を、臨場感を持ってご紹介いただきました。

ベッドコントロールについては、コロナのような有事の対応も視野に入れつつ、平時のベッドコントロールをどのように考えるべきかなどを当社コンサルタントたちと議論。集中治療の観点では、集中治療のカバー領域が深化する中で多職種連携は必須であり、連携を推進するために必要な「自由でフラットな組織」の重要さを強調されました。

講演後には当社スタッフたちとの食事会にもご参加いただき、引き続きさまざまなテーマについて議論させていただきました。若林先生からいただいた貴重な情報を生かしつつ、微力ながら引き続き持続可能な医療提供体制の構築に向けて尽力できるよう、当社サービスのさらなる深化と拡大を目指してまいります。

解説を担当したコンサルタント
西田 俊彦(にしだ・としひこ)
snakamura 東京医科歯科大学医学部医学科卒。京都大学大学院医学系研究科社会健康医学系専攻・公衆衛生修士(MPH)、ジョンズホプキンス大学ケアリー経営大学院医療マネージメントコース(MSc)修了。小児科専門医、社会医学系指導医・専門医。神奈川県立こども医療センター、川口市立医療センター、東京医科歯科大学、東京女子医科大学、国立成育医療研究センター等を経てGHC入社。臨床経験を生かし、現場視点でのカイゼン提案を得意とする。2011年より医療の質向上に関する多施設共同研究の事務局を主導、全国40か所以上の周産期医療センターを訪問、診療データベースを基に施設毎にプロファイルを提供し、質改善活動を支援した経験をもつ。