お知らせ

2019.10.01

日病会長・厚労省医務技監招きGHC15周年感謝祭を開催、全国の優良経営病院幹部100人が参加

 1.5人の現役世代(生産年齢人口)が1人の高齢世代を支える「2040年問題」を乗り越え、患者と地域を守り続けることができる病院の条件とは何か――。

 

 重症な患者に対応する「急性期病院」の経営コンサルティングなどを行う株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC=本社・東京都新宿区、代表取締役社長・渡辺幸子)は9月21日、GHC創立15周年感謝祭を開催しました。

 

 記念講演では、日本病院会の相澤孝夫会長(社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 最高経営責任者)、厚生労働省の鈴木康裕医務技監が登壇。全国から参加した優良経営を実践する急性期病院の経営幹部約100人とともに、2040年に向けて患者と地域を守り続けることができる病院の条件について考えました。

 

GHC創立15周年感謝祭の様子

 

 

GHCとは

 GHCは、スタンフォード大学の医療経済学の研究を率い、世界レベルの学者を多数輩出したアキよしかわ(写真)が立ち上げた米国の病院経営に特化したコンサルティングファームが前身。その後、経営パートナーとしてジョインした現GHC代表の渡辺(写真)とともに2004年、日本市場に本格参入しました。2019年で創立15周年を迎えています。

 

GHC創業者のアキよしかわ

 

 

 医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される病院経営に関する専門家集団として、米国流の経営改善手法を用いて、日々、日本の医療のさらなる価値向上を目指して活動しています。

 

GHC代表の渡辺幸子

 

 

「医療の価値」とは

 米国の有名病院であるメイヨークリニックは、最も価値の高い医療を「より質の高い医療を、最適なコストで提供すること」と定義しています(図表)。いくら質の高い医療であったとしても、それを幅広い人たちに提供することができなければ、相対的に見ると医療の価値は下がってしまう、という考え方です。

 

 GHCは、より質の高い医療を、最適なコストで実現し、幅広い人たちへ提供するため、医療ビッグデータを用いたベンチマーク分析を軸にした経営コンサルティングを提供しています。急性期病院(DPC対象病院)の約半数にあたる800病院の診療データを保有し、「他病院と比較して医療の質はどうか、コストは最適か否か」を常にチェックし、最適解を提示できることが、GHC最大の強みです。

 

 医師や看護師など医療現場を知るコンサルタントが改善提案をすることで、現場を動かし、院内の行動変容を促せる「実行支援型のコンサルティング」ができることも、大きな強みです。

 

 

大切なことは「データドリブン」

 記念講演に登壇した日本病院会の相澤会長(写真)は、GHC設立前の2002年から病院経営のお手伝いをさせていただいております。まだ医療ビッグデータの活用が困難だった当時から、データ分析を軸に、手術室の運用効率改善から始めて、数々の経営改革を推進してきました。現在DPCデータの分析において国内で最も活用されているEVE(メディカル・データ・ビジョン社との共同開発)の前身であるDAVE(GHC独自で開発)も2004年に導入いただき、相澤病院とGHCはデータ分析をより身近なものにする取り組みについても、歩みをともにしてきました。

 

日本病院会の相澤孝夫会長

 

 

 さらには、医療の価値向上のため、共同研究の成果を国に提言する取り組みも行いました。2012年から2014年にかけて開催された厚生労働省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」にて発案した急性期の定義「医療資源投入量から見る急性期病院・急性期医療」(相澤試案)です。これは入院医療費の最適化が求められる中、医療資源投入量のデータを活用することで、疾病ごとに最適な急性期医療の必要量を割り出し、さらには地域ごとに最適な急性期病床数を抽出する決定打にもなり得るのでは、という試案です。GHCは、相澤会長の「急性期医療とは何か」という思いを、データ分析の視点から形にするお手伝いをさせていただきました。

 

 

2040年に向けた日本のゴール

  鈴木医務技監(写真)は、医療政策の人材養成を目的に2002年から2008年にかけて推進された「HSP(東京大学医療政策人材養成講座)」(後継組織は「H-PAC(医療政策実践コミュニティー)」をきっかけに、数々のGHC主催勉強会などでご講演いただいています。鈴木医務技監と代表の渡辺は、HSPの同期生で、これまでに何度も、鈴木医務技監の医療政策に関するお考えをお聞きし、GHCが考える医療政策に関する考えもお伝えさせていただきました(関連記事『鈴木医務技監・迫井医療課長がGHC改定セミナーに登壇!「重症患者受け入れ」に軸足を置いた入院報酬に!』『【対談】オバマケアが変える「医療の質」とは』)。

 

厚生労働省の鈴木康裕医務技監

 

 

 「日本の医療の未来、変わるのは『いま』だっ!」と題してご講演された鈴木医務技監は、国内外の数々の医療政策に関する統計データを提示。その上で、2040年に向けた日本の医療政策におけるKGI(重要目標達成指標)を、(1)70歳までの雇用機会確保(2)健康寿命75歳以上(3)医療・介護の生産性5%増―としました。医療提供体制の効率化を目指した病院の再編・統合に関しては、病院経営の補助金の多くが国公立病院に投入されている現状に対して、設立母体で補助金を投入するのではなく、機能に応じて補助金を投入する仕組みの必要性を指摘しました。

 

 また、講演会後には経営のご支援をさせていただいた、日本病院会顧問で小牧市民病院事業管理者の末永裕之氏、日本病院会副会長で足利赤十字病院院長の小松本悟氏、滋賀県済生会医療福祉センター総長で済生会滋賀県病院院長の三木恒治氏、八幡平市病院事業管理者で岩手県立病院名誉院長の望月泉氏、などの先生方からご挨拶を賜りました。GHC顧問で埼玉県立大学理事長、慶應義塾大学大学大学院経営管理研究科教授の田中滋氏からのご挨拶もいただいております。