GHCブログ

2013年12月16日

中医協総会 DPC『中間とりまとめ』(案)、了承見送り。引き続き分科会にて議論

13日(金)、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会が開催されました。 診療報酬改定前の中医協総会といえば、早朝の灰色の行列。これを聞いてピンとくる方は、診療報酬改定通です。この時期の中医協総会は、改定情報をいち早くゲットしたい、医療・薬剤関連業界メディアの方々たちが傍聴席を獲得するために早朝から長蛇の列をつくります。冬ですから、グレーや黒のスーツをきた中高年の方が多いため、その様子が「灰色の行列」のようにみえるんです(私もその行列を構成する灰色のひとりですが)。 寒いなか、皆様、本当にお疲れ様です! 本題ですが、総会では、9日(月)の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下、DPC評価分科会)で承認された『中間とりまとめ』(案)が、小山信彌分科会会長(東邦大学医学部特任教授分科会会長委員)から提案され審議。『中間とりまとめ』(案)の方向性は大筋了承されたものの、「1群病院(大学病院本院)の指導医療官を一定期間派遣させた場合の評価」「再入院ルールの変更」、「後発医薬品指数」、「様式1の新規追加項目」などにつきまして、再度、DPC評価分科会で議論されることになりました。 なかでも「再入院ルールの変更」は、今回のDPC/PDPS関連の改定の注目ポイントのひとつ。 具体的な改定案は、患者が同じ診療科で再入院した場合、前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「入院の契機となった傷病名」の DPC 上2桁コードが一致するものについて、「一連」と見なすというもの。そのうえで、再入院するまでの期間は、現行の3日以内から、“7日以内”に延長されます。 今回の総会では、この「DPC 上2桁コードを一連とみなす」点に対して、「乱暴ではないか」という意見が診療側委員からあがったため、こうした取り決めに関して再度DPC評価分科会で議論されることになりました。 なお、今後のスケジュールも公表され、18日(水)に行われるDPC評価分科会で最終案がまとめられ、最終案を25日(水)の中医協総会で報告する見通し。 『中間とりまとめ』(案) http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032186.pdf そのほか、「DPC病院の合併・分割」する際のルールを定めた案が厚労省より提案。 『DPC病院の合併・分割への対応について』(案) http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032080.pdf 同案には冒頭から、「DPC制度への参加病院は増加しており、病院の統廃合が進んでいることから、今後DPC病院に係る合併等の事例が増加することが予想される」と明記されています。公の場でこうした提案がなされることはおそらく初めてではないかと思います。厚労省が本気で、病床機能分化へと舵を切ろうとしていることを感じますね。 同案は、そのほかの議論が長く、意見交換の時間はほとんどありませんでしたので、今後再度話し合われるかもしれません。 『中間とりまとめ』(案)で次回改定項目として下記4点があげられています。 1.基礎係数(医療機関群に関連する事項)の見直し 2.機能評価係数Ⅰ・Ⅱの具体化(見直しや追加を含む) 3.算定ルール等の見直し 4.退院患者調査の見直し 今回は、「1.基礎係数(医療機関群に関連する事項)の見直し」と「機能評価係数1」に関して、改定内容を振り返っていきたいと思います。 ■基礎係数・医療機関群に関連する見直しは外保連試案(第8.2版)の活用のみ! 2012年度診療報酬改定で、調整係数の廃止に向けて導入された、基礎係数。同係数の在り方や医療機関群の分け方などについては、導入前からさまざまな意見がありました。 2014年度改定では、そうした意見を踏まえたさらなる改定が行われるのではないかと考えられていましたが、最終的には2群要件のひとつである、「高度な医療技術を評価するための実績要件3」の改定のみでした。 具体的には、同要件を算出するための基準となる資料である『外保連試案』の最新版の「第8.2版」を活用するということです。 12m16dfig1 12m16dfig2 図 出典:中央社会保険医療協議会 総会(12月13日開催) 厚労省配布資料P3-4から 「診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」からの報告について総-1-1」 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032186.pdf ■機能評価係数1の評価体系は、現行通り 続いて、医療機関の人員配置や医療機関全体として有する機能等、医療機関単位での構造的因子(Structure)を係数として評価している機能評価係数1の改定に関してです。 こちらは、現行通りでの評価体系となるとのこと。現行の評価体系は下記図を参照くださいね。 12m16dfig3 出典:中央社会保険医療協議会 総会(12月13日開催) 厚労省配布資料P6から 「診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」からの報告について総-1-1」 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032186.pdf 次回は、「機能評価係数2」について振り返っていきたいと思います。 【参考資料】 中央社会保険医療協議会 総会(第265回) 議事次第 診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」からの報告について総-1-1」 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000032186.pdf

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。社内外のステークホルダーの人物像(ストーリー)に焦点を当てたコンテンツ作成にも注力する。