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2014年05月14日

【DPC分科会】“隠れDRG”は引き続き拡大の方向 9月にも基本方針

 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会が14日開かれ、厚生労働省は2016年度の実施を想定している次の診療報酬改定に向けた審議スケジュールを提示しました。それによると分科会では、「診断群分類」「基礎係数(DPC病院群)」「算定ルール」といったテーマごとに対応を固めます。このうち診断群分類については、ほかのテーマに先駆けて今年9月にも基本方針を取りまとめます。具体的な検討課題の一つには「点数設定方式D」(いわゆる“隠れDRG”)が盛り込まれ、今年4月に実施した診療報酬改定に続き、一層拡大する方向性を打ち出す見通しです。  隠れDRG は、高額薬剤などのコストを入院初日に集中して支払う点数設定方式で、1入院当たりの診療報酬を包括払いにする米国のDRGに近い形です。12年度に実施された前回の診療報酬改定で22の診断群分類にこの方式が初めて適用され、その後、これらの診断群分類の大半で平均在院日数の短縮が認められました。これを受けて今年4月の診療報酬改定では、最終的に27の診断群分類に適用を広げました。  14日の会合に厚労省が提示した検討課題の整理案では、隠れDRGに相応しい診断群分類がほかにもあるか検討するとしていて、同省では一層拡大したい考えです。  診断群分類に関してはこのほか、「CCPマトリックス」の導入も検討課題に挙げています。CCPマトリックスは、入院患者の重症度や医療資源の必要度などを反映させながら、診断群分類を精緻化させるための新たな評価手法で、2年後の報酬改定で導入するかどうか、分科会としての見解を基本方針に盛り込む見通しです。
基礎係数、病院群の見直しは年度内に基本方針
 DPC対象病院の基本的な診療機能を評価する「基礎係数」や、救急医療・地域医療への貢献などを促す「機能評価係数Ⅱ」の取り扱いについては、年度内に基本方針を取りまとめます。  基礎係数はDPC病院Ⅰ群(大学病院本院80病院)、Ⅱ群(Ⅰ群並みの診療機能を持つ99病院)、Ⅲ群(これら以外の1406病院)ごとに設定されていて、現在の値はⅠ群が1.1351、Ⅱ群が1.0629、Ⅲ群が1.0276です。ただ、このうちⅢ群には地域の中核病院や専門病院などいろいろなタイプの病院が含まれるため、このグループをより細かくして、実態に応じて評価できるようにすべきだという意見があります。  機能評価係数Ⅱについては、「診療科別の症例数トップ3」「5大がんの病期分類別症例数と再発数」など7通りの臨床指標を、全国共通のフォーマットで作成・公開する病院への評価が焦点になります。厚労省は、機能評価係数Ⅱとして「病院指標の作成と公開」を導入し、こうした取り組みを促したい考えです。当初は今年の報酬改定での導入を目指していましたが、中身を具体化しきれずに見送られました。  厚労省は14日の会合で、全国のDPC対象病院とDPC準備病院を対象に13年10-11月に実施した調査結果を公表しました。それによると、調査の対象になった計1737病院(同月現在)の約85%が、病院指標の公開に「賛成」か「どちらかといえば賛成」と回答し、分科会の委員らからも前向きな意見が相次ぎました。  ただ、「診療報酬を支払うなら公平性をしっかり担保すべきだ」という意見もあり、厚労省側は、病院ごとの指標の妥当性をチェックできるかどうかなどを慎重に見極める考えです。 *参考URL* 2014年度 第2回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000045900.html

広報部
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