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2014年05月29日

DPC病院群、大幅見直しも視野-「医療法改正とも整合性」厚労省

 2016年度の実施を想定している次の診療報酬改定をめぐる議論では、DPC病院群の大幅な見直しに踏み込む可能性があります。DPCⅠ群に位置付けられている大学病院本院の中に診療実績が伴わないケースがあったり、医療法改正に歩調を合わせて枠組みを見直す必要があったりするためです。DPC病院群や機能評価係数Ⅱの見直しの基本的な方向性は年度内に固めることになっていて、厚生労働省では、このうち病院群をめぐる議論を先行させる考えです。  次の診療報酬改定に盛り込むDPC関連の見直しの方向性は、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会で先行して議論しています。厚労省の担当者は、中央社会保険医療協議会が28日に開いた総会で、「特にⅡ群に関してこの設定でよろしいのか、Ⅲ群に関しても、必要に応じて中医協に報告しながら(分科会で)検討を進めていく」と報告しました。  高度急性期や一般急性期といった医療機能のうちどこをカバーするのか、各医療機関が都道府県に届け出る「病床機能の報告制度」が年度内にスタートする見通しで、厚労省では、こうした動きとも整合性を取りながら検討を進めたい考えです。
一層の細分化に慎重論も
全国に1585(4月現在)あるDPC対象病院のうち、大学病院本院(80病院)はDPC病院Ⅰ群に位置付けられ、これら以外は、診療密度の高さなどによってⅡ群(Ⅰ群並みの99病院)とⅢ群(残り1406病院)のどちらかに分かれています。  基本的な診療機能を評価するため、診療報酬に反映させる「基礎係数」はこれらのグループごとに設定しています。現在の値はⅠ群が1.1351、Ⅱ群が1.0629、Ⅲ群が1.0276で、Ⅰ群が有利です。  しかし、診療密度の高さを示す「1日当たり包括範囲出来高平均点数」や、院内で実施している手術の難度を示す「外保連手術指数」が極端に低い病院もⅠ群に含まれます。このためDPC評価分科会では、このグループを含め現在の枠組みを抜本的に見直すべきだという声が上がっています。  ただ、中医協総会で支払側の委員からは、患者の混乱を避けるため、DPC病院群をこれ以上細分化すべきでないという意見も上がっていて、厚労省ではこれからの議論を慎重に見極める方針です。
中長期的な課題に「DPC対象の整理」
 中医協総会が28日に了承した検討課題の整理案と今後の審議スケジュールには、中長期的な検討課題として、DPC制度全般の見直しも盛り込まれました。  DPC制度は03年、全国の特定機能病院(82病院)が参加してスタートしました。当初は急性期病院の参加を想定していましたが、現在は急性期以外の診療機能を併せ持つケアミックス病院や、特定の診療科のみをカバーする専門病院なども加わっています。  厚労省の整理案では、「DPC制度の対象病院のあり方や対象範囲等について中長期的な課題の整理が必要」などとしています。 中央社会保険医療協議会 総会(第278回) 議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000047050.html