GHCブログ

2013年03月06日

日本とアメリカのデータを分析するおもしろさ

3月1日のブログでお知らせしましたが、本日はスタンフォード大学とのジョイントプロジェクトの為に来日したジェイ及びマイケルに今回の研究にかける思いをご紹介します。   湯原:医療に関する日本の文化で興味を抱いていることは何でしょうか? ジェイ:日本とアメリカにおける医療アプローチの違いを、同じフレームで分析してみることにとても興味があります。疫学的にみても日本はアメリカと比較して胃がんの発生割合が高く、アメリカでは大腸がんの発生割合が高くなっています。その疾患構成の背景そのものにも興味はありますが、同じ疾患であっても、薬の使い方や手術の選択が大きく違うのではないかと予測しています。つまり、治療方法を選択する際に、その背景にある医学的判断が、アウトカムに大きな影響を与えているのではないかということです。

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(ジェイ(Jay Bhattacharya))

マイケル:私は日本人とのハーフで、日本には親戚も友人もたくさんいます。ネイティブ青森弁スピーカーであり(笑)、日本にはとても愛着があります。日本で長い時間を過ごし今はアメリカで学んでいますが、実際のデータを使って日米の医療の内容比較を行うプロジェクトに参加できることが純粋にうれしいです。

  湯原:医療データから見てみたい日本とアメリカの違いについてもう少し聞かせてください。 ジェイ:GDPに対する医療費の割合はアメリカよりずっと少ないにも関わらず、日本の平均寿命は世界で一番長いですよね。そういう意味で日本の医療はアメリカより優れていると思っています。アメリカの医療経済学者として、多額の投資を行っているにも関わらず成績が良くないアメリカと比較して、日本は少ない投資でどうしてそのように大きな成果を出せるのかということを知りたいです。日本の医療制度、医療従事者の役割分担、地域での協力体制など様々な点に興味があり、医療経済学者である私にとっては、この謎解きが今から本当に楽しみです。 マイケル:人は本来、医療が行われるそれぞれの場面でどういう行動を選択するのか、というところまで落とし込んで考えると面白いと思っています。何がどういう行動をとる際の誘因となっているのか。それがわかれば、より費用がかからない方法で医療を提供することができるのではないでしょうか。

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マイケル(Michael P. Hurley)

湯原:最後にGHCに対してどう思っているのか聞かせて下さい ジェイ:私にとってGHCはアキそのものです。私が20歳の頃に出会ったアキは本当にエネルギッシュで、常に前に突き進むエネルギーで溢れていました。一緒に研究をしていた日々は、今の私のベースになっています。また一緒に研究できると思ってワクワクしています。 マイケル:第二の故郷である日本の優秀な研究機関であるGHCと一緒に研究ができることを、すごくラッキーに思っています。この機会を生かして、日米比較からおもしろい発見をたくさんしたいですね!  

(湯原)