GHCブログ

2013年02月19日

「2025年に向けた病院戦略セミナー」を開催! ~その2~

前回に引き続き、2月16日に開催した、「2025年に向けた病院戦略セミナー ~ DPC病院群の設定を経て~」の内容を紹介します。   全景2 第2部は、GHCマネジャー 冨吉則行の「医療の未来(あした)を想像する Part2」と題した講演からスタートしました。 冨吉からは、Part1でGHC代表取締役社長 渡辺幸子が提示した、2025年に向けて急性期病院の目指すべき方向性の【差し迫った経営課題6つ】と【熟考すべき経営課題3つ】の中から、「地域連携強化による紹介・逆紹介UP」、「手術部の効率化・改革」、「看護重症度マネジメント(適正在院日数とデータの精緻化)」と、「外来機能の専門化」について更に詳しく事例を交えながら説明。 地域連携については、「自院」、「患者」、「地域医療機関」の3者が「win-win関係を継続的に構築」することが重要であり、そのために、まずは現状を知ることを訴えました。 手術部の効率化・改革では、手術分析などによる定量評価とヒアリングや見学などによる定性評価を行い、課題の抽出後にアクションプランを立て実行していく流れについて過去に取り組んだ事例を紹介しながら報告しました。 看護重症度マネジメントに関しては、(1)疾病ごとに在院日数を適正化していくこと(2)疾病ごとに看護必要度を分析し、重症度・看護必要度評価の適正を実現させること(3)水増しを目的とする不要なケアはNG!の3点を指摘しました。 外来機能の専門特化に触れながら、基礎係数の定義と評価方法について言及し、(1)在院日数の短縮(2)外来で実施出来るものは外来へ移行(3)急性期病院として地域との連携を強固にし、重症度の高い診療と急性期部分の診療を行う、の3点は、基礎係数から見えてくる急性期病院のあるべき姿だとして話を締めくくりました。 講演する冨吉 tomiyoshi02   最後に、小牧市民病院院長の末永裕之先生から「急性期病院が目指すべき姿 ~「医療機関群」設定を経て~」と題してご講演いただきました。 末永先生は、小牧市民病院の過去から現在への変遷、ご自身が院長になられてからの取り組みについて丁寧に説明をしてくださいました。 院長ご就任の平成11年、まず、院内の各部署の意見を聞くことから始め、ご自身も意識して病院の経営状況等に関しての情報発信を行い、職員に問題意識と危機感を持たせ縦割りの発想を変え、現実的に改善し変わりうることを実感させるという取り組みについての報告がありました。その中で先生が注意されてきたことは、職員の適材適所と役割分担をしたうえで、幹部職員に権限を与え責任は院長が取るという体制を貫いてきたということでした。また、ご自身の信念として、地域に必要とされる医療を提供する「救急医療「高次医療」「がん治療」という3本の柱を持ち続けてきた点も力説されました。 講演する末永先生 suenaga01 これからの医療の方向性については、(1)地域医療の外来のあり方や特定機能病院の外来のあり方が議論されている点(2)地域包括ケアでは、在宅看取りのケアをする人へのサポート体制が必要であるが地域力が低下して難しくなっている点、について言及されました。 更に、効率化へ向けて医療者が考えるべきこととしては、「本人が望まない医療の見直し」と、「過剰な(無駄な)検査、投薬の見直し」が挙げられるとし、特に救急外来では、見逃しを恐れるあまりに過剰な検査をしたり、患者さんが希望されるからという理由で諸検査が実施される傾向があること、死生観の教育がなされていない、等の問題点を指摘されました。 来場された多くの参加者は、メモをとりながら講演を熱心に聴講されていました。 ご参加いただきました医療関係者の皆様には心より感謝いたします。 ありがとうございました!

(坂田)

なお、セミナーの様子はCBニュースでも紹介されました。 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39244.htm