GHCブログ

2013年02月18日

「2025年に向けた病院戦略セミナー」を開催! ~その1~

 2月16日、東京都内では強風波浪注意報が発令され、最大瞬間風速が21.2メートルと冷たい北風が吹き荒れるなか、ベルサール九段(東京都千代田区)にて「2025年に向けた病院戦略セミナー ~ DPC病院群の設定を経て~」が開催されました。当日は、北は北海道、南は沖縄県から、全国の医療機関の病院経営者の方々、約300名以上にご参加いただき、盛況のうちに幕を閉じました。

 ご多忙のなか、セミナーにお越しいただいた皆様には、心より感謝いたします。ありがとうございました!

 本日から2回にわたってセミナーの内容を紹介します。

全景1

 はじめに、米国グローバルヘルス財団 理事長アキよしかわが開会の挨拶を行いました。

 講演の中でアキは、昨今、DPCの分野において医療機関Ⅱ群と、高度急性期の定義をどのようにしていくかの議論がおこなわれていることに触れました。その議論の一つ、昨年12月13日に相澤病院の相澤孝夫先生が厚生労働省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」にて発案した急性期の定義、「医療資源投入量から見る急性期病院・急性期医療」(相澤試案)の実証データ部分のサポートをGHCが行ったことを紹介しました。そのうえで、「病院コンサルティングのみならず、これからは政策に関連した活動をしていきたい」と。

 更に、「これからどういう方向に向かっていけば、日本の急性期医療を支えていくことが出来るのか。それを考える時には勇気が必要だと思う」との見解を示し、「米国で取り組まれている試みの中から注目すべき成功事例が出てきているので、それらを今後紹介し続けていきたい」との考えを述べました。

 最後に、アキは「我々が目指すのは、質の高い医療を安価で提供していくことだと考えている」と訴えると共に、GHCが毎月発行している「マンスリーレポート」を参加者に紹介し、挨拶を締めくくりました。

aki

 続いて、GHC代表取締役社長 渡辺幸子が「医療の未来(あした)を想像する Part1」と題して講演しました。

 渡辺は講演の中で、「社会保障と税の一体改革 2025年の絵姿」、「人口構成と今後の疾病」と「OECDの中でも高い在院日数」の日本の医療の現状について説明をし、急性期医療には急性期らしい在院日数が求められていることを指摘しました。

 そのうえで、今後の急性期病院のシナリオを示しながら、「急性期医療の特化」「機能分化」の役割分担の必要性を説き、中でも、「手術件数の増加」と「再診患者を地域開業医に逆紹介」に力を入れていくべきとしました。特に、手術室は病院の心臓部であり、手術室の効率運用カイゼンは病院経営の「要」!であることを訴えました。(※手術室のカイゼンについてはPart2の冨吉の講演でも詳しく紹介。内容については次回のブログで紹介します。)
また、急性期病院でDPC導入後における各分野(医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、OT・PT、事務部門など)の連携、チーム医療の重要性についても、薬剤部の薬剤管理指導料や看護部のリンパ浮腫指導管理料などの事例を紹介しながら言及しました。

 最後に渡辺は、2025年に向けて急性期病院の目指すべき方向性として、【差し迫った経営課題6つ】と【熟考すべき経営課題3つ】を提示しました。

【差し迫った経営課題6つ】:今日からすぐに実行することができる明日のための努力
・「地域連携強化による紹介・逆紹介UP
・「手術部の効率化・改革
・「看護重症度マネジメント(適正在院日数とデータの精緻化)
・「変動費(材料、薬剤、経費)の徹底的コスト削減
・「疾患別マネジメント(在院日数と医療資源コントロール)
・「全医療職種の活性化(指導管理の向上)

【熟考すべき経営課題3つ】:将来のための努力
・「地域のニーズと病床機能分化
・「外来機能の専門化
・「医療の質向上と情報開示

watanabe

 小牧市民病院 院長先生 末永裕之先生及びGHCコンサルタント冨吉則行の講演の様子は、次回のブログで報告します!

 マンスリーレポートのご購読や詳細は下記からご覧ください!
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 相澤先生の相澤試案は下記から参照できます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002pgwk-att/2r9852000002ph1r.pdf

 なお、セミナーの様子はCBニュースでも紹介されました。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39244.htm

(坂田)