GHCブログ
2013年10月28日
在宅医療全体については、出席委員から「非常に細かい点の議論がされているが、国としての理念が見えない」、「国民にわかり易く、なおかつ大胆な改革をしていくべきだ」などの指摘がありました。
そのうえで、「機能強化型在宅療養支援診療所・病院の要件等」については、中医協委員からは「在支診/病を推進・拡充していくべき」との意見が大半。
議論となったのは、事務局から提示された「連携型の機能強化型在支診/病の要件として、緊急往診や看取りの実績要件を満たすことを必要とする」かどうかの点。「2012年に地域の医療機関間連携等を行い、緊急往診と看取りの実績などを有する医療機関を評価し支えていくという改定をおこなったばかりなので、評価は継続すべき」といった意見や、一方で、「機能強化型に限った話しではない。在支診/病での実績に対する評価が低く、是正していくべきであり、事務局から出された案で良い」、「きちんと実績を上げている在支診/病に関しては、評価していくべき」、「護送船団方式にならないようにしていくべき」という指摘がありました。
森田朗会長・学習院大学法学部教授は、「本日の議論を整理するのは難しいので、引き続き、議論を深めていきたい」とこの議論を締めくくりました。
当日の配布資料
出典:第252回 中央社会保険医療協議会 総会(10月23日開催)
厚労省配布資料「中医協 総-3」より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000027523.pdf
「訪問看護」については、(1)機能が高い訪問看護ステーションとして、24時間体制の有無、看取り数、重症度の高い患者の受け入れ、介護支援専門員の配置の有無等を要件とする、(2)地域包括ケアにおいて中核的な役割を果たす訪問看護ステーションを、機能強化型訪問看護ステーション(仮称)として評価する、ことが、事務局より論点として提示。
これに対し、委員からは「訪問看護を充実することは賛成」としたえうで、「地域包括ケアにおいて中核的な役割を果たす訪問看護ステーション」についてイメージが出来ない。訪問看護ステーションが取り扱う範囲を示すべき」、「訪問看護ステーションの大規模化は以前から言われているが、進んでいない。まずは要因分析をし、そこを改善していくべき」、「業務の中身を見直し、経費削減と業務の改善をし、本来の実務時間を増やしていくべき」、「訪問看護をすることのできる看護師が足りていないという問題があるので、この部分を改善していくべき。訪問することのできる看護師の養成をしていくべき」といった現状の課題を是正していくべき指摘も多数出されました。こちらも引き続き、中医協総会で今後議論されていきます。
在宅医療についての議論は、既にこれまでに3回の集中討議を行っているということもあり、議論も各論に渡りました。各委員の発言も活発にあり、予定時間を延長しての議論が行われるほどの関心の高さがうかがえました。また、事務局からも在宅医療の一定の目指すべき方向性が示されました。今回の総会で議論できなかった点は今後、議論していく予定です。
次回の中医協については、厚生労働省のホームページを参照ください。
【参考資料】
中央社会保険医療協議会 総会 (第252回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000026868.html
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