GHCブログ
2012年06月08日
辻先生は以前、厚生労働省事務次官として医療制度改革の制度設計に深く関わっていらっしゃいました。当時のご経験をもとに、今後の医療政策における課題や、現在、同大学でご自身がかかわっておられる、地域医療に関するプロジェクトについてお話いただきました。
ご講演のなかで、辻先生は、今後の日本の大都市圏での急速な高齢化における問題について言及し、在宅医療の重要性を強調しました。
また、1年間以上、寝たきりの生活を送っていた高齢の男性が、在宅介護を行うことによって笑顔を取り戻したお話しをされた後、「生きていたら良いというものではない。人間は社会のなかでしか自己実現できない」と主張し、「死や病気との闘い」をコンセプトにする、病院医療だけでは今後の日本の高齢化に対応し、尊厳のある死を迎えてもらうことは難しいことをお話しされました。
ご講演の後の質疑応答では、地域医療にかかわるかかりつけ医の育成手法や、低所得層の高齢者の医療・介護費の問題に関する質問があがりました。
辻先生のご講演は、超高齢社会のなかで地域連携を円滑に行っていくうえでの多くの重要なポイントが盛り込まれた大変充実した内容で、GHCスタッフは、終始、メモをとりながら辻先生のご講演に聞き入っていました。
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