GHCブログ
2012年01月27日
今回は「短冊」と呼ばれている診療報酬改定案の概要の一部である「個別改定項目について(その1)」(以下、改定資料)が公表されました。
今回の改定資料は、あくまでも概要なので、細かい点数や数値などは、まだ空欄の部分もありましたが、新設される加算には(新)というマークがついていたり、変更前後の算定要件がならべて記載されていたりするなど、一目で改定内容がわかる大変わかりやすくまとめられた内容でした。
これまで診療側と支払い側の意見がかみあわず、たびたび議論されてきた「再診料」については今回の改定資料には、複数科受診における再診料加算の具体案が提案(下記)されていました。
(改定資料P29から)
■初・再診料及び関連する加算の評価
1.再診料、外来診療料について、同一日の2科目の再診について評価を行う。
(新) 再診料 ○点(同一日2科目の場合)
(新) 外来診療料 ○点(同一日2科目の場合)
[算定要件]
1 同一日に他の傷病(一つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いの関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、新たに別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を再診として受診した場合(一つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受けた場合を除く。)に算定する。
2 2科目の再診料又は外来診療料を算定する場合は、乳幼児加算、外来管理加算等の加算点数は算定できない。
この具体案について支払い側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、明確に反対の意向を示し、「今までと同じことをやってもらっているのに、負担(診療代)だけが増えることが社会に受け入れられるだろうか」といった内容をコメントしました。この議論は今回も結論が出ませんでした。
また、改定資料P90に記載されている、「一般病棟における7対1入院基本料の算定要件の見直し」の看護必要度の基準の引きあげについて嘉山孝正委員(独立行政法人国立がん研究センター理事長/山形大学医学部大学院教授)は、「現状の看護必要度は、評価基準が偏っていると思っている。具体的には、ほとんどが循環系で、神経系が入っていない。例えば、がん患者はせん妄状態になるとつきっきりで看護しなければならない。そうした神経系のケアに関する基準の創設も勘案してほしい」といった主旨の内容を発言。これに対し、厚労省担当官は、「大変重要なご指摘」と述べたうえで「平成24年度改定までに見直すことは難しいが、現在の看護必要度の基準は平成5年か6年に策定されたものなので、医療の進歩など現状に則したものへの改定を考えたい」といった内容を回答しました。
(改定資料P90から)
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