GHCブログ

2010年10月15日

既存のデータを戦略的に活用するには?――全日病学会ランチョン

8日の日本社会保険医学会総会のランチョンセミナーに引き続き、10月11日(月・祝)には、神戸国際会議場で開かれた「第52回全日本病院学会in 兵庫」にてランチョンセミナーを行いました。

「“病院ダッシュボード”~財務、レセプト、DPC、外来、手術データの戦略的活用~」 座長:渡辺幸子 講師:アキよしかわ

まず、座長の渡辺から、GHCの紹介とともに、日本とアメリカの医療の概略について説明させていただいた後、よしかわより、DRG環境下のアメリカで起こった病院改革について、さらに、20年前のアメリカに似た現象が起こりつつある日本の病院経営で求められている“病院ダッシュボード”の考え方について、お話させていただきました。

病院ダッシュボードとは、GHCが現在開発を進めているもので、財務、DPC、外来、レセプト、手術、コスト、看護必要度といった、あらゆる既存データをもとに他施設とベンチマークした資料を経時的に提供していく、web上の配信サービスです。

こうした既存のデータを活用して実際にどのような分析が行えるのか、ベンチマーク分析の実例を紹介しながら解説したところ、興味を持っていただけたようで、真剣にスライドを見つめながらメモを取っている方々が多くいらっしゃいました。


また、講演後の質疑応答では、「今後の日本の医療はどのように変化していくとお考えですか?」「医療の機能分化が必要と言われますが、個人的には急性期、亜急性期、慢性期というくくりではなく、疾患にまで落とし込んだ細分化が必要ではないかと考えています」など、今後の日本の医療の在り方を問う質問が挙がりました。

これらに対し、よしかわは、「厚労省の流れに沿うのではなく、自分たちで道を切り拓いていくべき」「機能分化はますます進むでしょう。アメリカにおいても同じ流れが起き、クリニックと病院との連携がますます重要になった」とコメント。 渡辺からは、「診療所が病床を持ち、必要に応じて、連携している急性期病院の医師が手術と病床管理を行うという、『アメリカスタイル』が今後増えるのではないでしょうか。病院は、機能分化、専門性の特化、そして医師の質がより問われるようになります」と、今後の展望を伝えました。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。