GHCブログ
2013年06月24日
よしかわは、日本のDPC(入院1日当たりの定額払い)と米国のDRG(1入院当たりの診療報酬)で術後感染に関してどのようなインセンティブを与えるかという事例を挙げ、「DPCは入院1日当たりの定額払いであり在院日数が長くとも気にすることなく感染対策にかかる費用は回収できるため、1入院当たりの診療報酬である米国のDRGほどインセンティブが働かない」という課題を指摘しました。
また、「より高い質の医療を、より低い価格で提供していく」という医療の価値に対して診療報酬を支払うという考え方(Pay for Value)を紹介。2013 年1 月から米国で始まり、一つの大きな流れを作り出しつつある、治療行為の初めから終わりまでを一つのエピソード(episode)として、その疾病の治療に関わる医療費を一纏めにして支払う方法である「拡張型DRG(Expanded DRG)」についても紹介しました。
※「EDRG」については、弊社が毎月発行している『マンスリーレポート』(2013年4月号)でも「米国におけるEDRG の試行:入院からその後のリハやケアまでを包括する支払制度」と題し、特別寄稿が掲載されていますので、是非ご一読ください。
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そのうえで、日本の医療データベースが患者の状態を記録する患者サマリーでなく、レセプトというお勘定情報が中心になっている課題に触れ、「今後は、呼吸器なら呼吸器といった学会ごとにデータベースを作っていくことが必要である」ことを説きました。
シンポジウムの最後に、よしかわは「日本でDPCが導入されて10年、そろそろ新しい考え方を導入すべき時期にきている。その枠組みは霞が関(厚生労働省)が作るのではなく、各地域からの意見を取り入れて検討していくべきである。今変えないと日本の医療は『失われた20年』になってしまう」と締めくくりました。
当シンポジウムでは、牧野先生はGHCとMDV社が共同開発した「EVE」の画面を使いながら、内藤先生は「病院ダッシュボード」でのデータ分析の画面を提示しながら、そして、浜野先生は千葉県がんセンターが幹事病院となりGHCがデータ分析のサポートを行っているCQI(Cancer Quality Initiative)研究会について、それぞれ発表。GHCの日ごろの活動についても各先生から紹介していただきました。
ご多忙のなか、シンポジウムにお越しいただき皆様には、心より感謝いたします。
ありがとうございました!
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「米国におけるEDRG の試行:入院からその後のリハやケアまでを包括する支払制度」(『マンスリーレポート』(2013年4月号))はこちら
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