GHCブログ
2009年02月20日
GHCジャパン社長の渡辺の短いプレゼンの後にご講演いただいた三谷社長の講演テーマは、「世界と日本:ノバルティスの戦略」。
・医薬品市場の規模は1位のアメリカ(43.0%)に続いて、日本が2位(9.0%)
・日本の医薬品市場は年率2.7%で成長してきたが、今後は医療費抑制によりフラットになっていくだろう。
・ドラッグ・ラグ(世界初上市からの平均タイムラグ)は、日本は約4年、アメリカは約1.5年
…といった日本と世界の医薬品市場について解説した後、ノバルティスファーマの戦略について話されました。同社は世界の製薬メーカーのなかで売上高3位(2007年)。ただ、フォーチュン誌が毎年発表している「世界で最も尊敬される会社ランキング」の製薬メーカー編で、2005年以降、常に1位か2位にランキングされています。そうした風土をつくっているのは、一つは、マスドラッグだけではなく、採算性の難しいスペシャリティーも開発・販売するという、同社のミッション・プライドに裏打ちされた営業戦略。そして、やはり人・文化です。「人・文化」に関連して提示してくださったのが「“リーダー”と“管理職”の違い」。みなさんは、この2つの違いをどう考えますか?
続いて、世界50ヶ国に拠点を持つマーケットリサーチ会社であるシノベイトヘルスケアジャパンリミテッドのホール社長は、日本の医療制度に関して聞いたアンケート調査結果を紹介。キーオピニオンリーダー31人へのインタビューと、450人に対するインターネット上での調査で、下記のような結果を報告してくださいました。
・医療産業に参加している施設・機関・関係者に対する評価では、医師をはじめとした医療職への評価は高い一方で、厚労省や地方自治体、政党への評価は低い
・医療政策への影響力は、財務省やマスコミ、患者団体が大きくなり、日本医師会は小さくなるだろうと予測(キーオピニオンリーダー)
メディサイエンスプランニングの浦江社長は、「医療機関運営と臨床試験」と題して講演。
・1症例あたりの臨床開発費はアメリカの約2倍
・症例集積状況は日本を1とした場合に、欧州他21ヶ国は3.45、アメリカは18.2
・治験機関は日本のほうがアメリカよりも1年強長い
上記のような具体的な問題を提示し、「日本の治験は、スピードとコスト面に問題がある」と指摘。その原因として、①治験実施体制が整っている医療機関が多くない、②治験に対する学問的評価、経済的インセンティブが低く、治験の意義が浸透していない、③医療機関あたりの被験者数が少ないなど、コストが高い――という3点を挙げられました。
| 広報部 | |
![]() | 事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。 |