GHCブログ
2009年01月29日
先に登壇された大垣市民病院曽根先生は、昨年4月に院長職に就任されたばかりで、DPCの導入は2008年度から。「DPC導入直前セミナー」という今回のタイトルにぴったりな、DPC導入前後のリアルなお話を語ってくださいました。
看護師の不足、院長交代、ライバル病院の新規開業、後期高齢者問題による受診抑制、医療事故の報道、DPC導入と、次から次に波が押し寄せるなか、夜勤専従看護師を活用したり、地域連携を強化したり、医療安全全国共同に参加したりと、対策をとってきたそうです。DPCの導入にあたって行ったのは、①外部講師による説明会、②DPC対象病院の視察、③委員会の設置、④診療科別の見直し(GHCによるパス作成支援)、⑤手術室調査、⑥ジェネリックへの切り替えリスト作成、⑦医療材料コスト削減、⑧加算関係の徹底、⑨強化部門の洗いざらい――など。それぞれの項目について、実際の状況をグラフで紹介しながら説明してくださいました。
一方、相澤病院は、2006年4月参加のDPC対象病院。相澤先生は、DPC導入のポイントとして、①壁のない組織:医療事務課・診療情報管理課・DPC戦略的活用チーム、②コーディングに対する共通認識、③医師、事務、病院全体へのバックアップ体制――の3つを指摘されました。
また、DPCを活用しながら、①救急と紹介で新入院患者増、②診療収入の1日単価の増加、③医療原価の削減とムダの排除――の3つを、急性期病院の経営戦略として追求されてきたそうです。この3本柱を実現する過程で行われた取り組みの1つが、クリティカルパスの見直しです。見直しのプロセスは、適用件数の多いパスから順に取り上げ、クリニカルパス委員会で審議し、担当の医師・コメディカルに修正案を提出してもらい、診療科にフィードバック。同委員会で再審議して、最終的に院長が承認するという流れ。これによって40種類以上のパスの設定期間を変更されたそうです(平均1.8日短縮!)。


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