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2013年11月15日

中医協・DPC評価分科会 機能評価係数2で、後発医薬品の使用割合を評価

結婚式場としても利用されている、法曹会館(千代田区霞が関)「高砂の間」にて、11月13日(水)、第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下DPC評価分科会)が開催されました。 会場となった「高砂の間」は、いつも開かれている厚生労働省(以下、厚労省)の殺風景な会議室とは異なり、鶴が描かれた白い壁と豪華なシャンデリアが設置され、いかにも和装婚礼が合いそうな部屋。なんだか少しおめでたい気分で、難解な議論を傍聴しました。 IMG_2883_2 鶴が飛ぶ壁の前で議論 さて、今回重点的に議論された内容は、「機能評価係数2」の改定内容。 なかでもポイントは、現行の評価項目(1データ提出指数、2効率性指数、3複雑性指数、4カバー率指数、5救急医療指数、6地域医療指数)に加え、7項目として、「後発医薬品の使用割合を評価する指標」の導入が分科会で決定したことでしょう。 この後、中医協総会で承認されると診療報酬改定に反映される、という流れですが、「後発医薬品」の使用促進は国が推進している取り組みの1つ。 国は、社会保障・税一体改革大綱に基づいて作成されている「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」において、5年後の2018年3月末までに後発品の数量シェア 60%以上をめざしています。 こうした背景を考慮すると、おそらく7項目の新たな評価指標として導入される方向で動くのではないかと思います。 対象となる薬剤は、入院医療に使用される後発品のあるすべての薬剤(包括部分+出来高部分)です。後発品のあるすべての薬剤に占める後発品の使用割合(数量ベース)が60%になるまでは、この割合が高いほど評価を手厚くするそうです。 この「数量ベース」とは、薬価基準告示上の規格単位ごとに数えた数量を指します。 例えば、 ピシリバクタ静注用1.5g(449円)(後発品)を1瓶使用 ユナシン-S静注用0.75g(586円)(先発品)を4瓶使用 上記2種類使用の場合、規格単位は瓶なので 数量シェア1/(1+4) = 20% が正解となります。 これを、グラムで計算した場合は、 1.5/(1.5+0.75×4) = 33.3%になりますが、これは誤りです。 また、種類数で計算した場合は、1/2 = 50%になりますが、これも誤りです。 ※参考資料 「ジェネリック医薬品の使用促進に向けた24年度診療報酬改定等における取組み」 P3 注1 http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226627731143後発医薬品」に関する分析は、GHCが毎月発行しております、『マンスリーレポート』(/service/report)(vol.77)2013年6月号でも「後発医薬品(執筆担当:湯浅・三浦)」と題して特集を組んだことがあります。同レポートでは、注射剤の後発医薬品の導入について、2009年からの経年変化、薬効別の導入割合分析などを行っていますので、ぜひ、ご一読ください! 今回の後発医薬品の使用割合に関する評価は、国がめざす方向性をきちんと見極め、積極的に後発医薬品を採用してきた医療機関にとっては、追い風となることでしょう。 【参考資料】 2013 年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000029271.html ※今回争点となった「機能評価係数2」の見直しに関する資料は下記をご覧ください! http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029275.pdf