2015年12月17日
病院名 | 社会医療法人財団 大樹会 回生病院 | 設立母体 | 民間病院 |
---|---|---|---|
エリア | 四国地方 | 病床数 | 402 |
病院名 | 社会医療法人財団 大樹会 回生病院 |
---|---|
設立母体 | 民間病院 |
エリア | 四国地方 |
病床数 | 402 |
コンサルティング期間 | 4年間 |
わたしたちが「病院ダッシュボード」を使い始めたのは2014年12月のことです。平均在院日数や医療資源の投入量がどのような状況か、全国の同規模病院と比較することで客観的に把握できる点が導入の決め手になったのでしょう。実際に使ってみて、こうした分析は病院ダッシュボードが一番分かりやすいと感じています。
現在は、われわれ医事課はもちろん、診療情報管理室や看護部などいろいろな部署で病院ダッシュボードを使っています。例えば看護部では、ベッドコントロールの運用に副看護部長が自ら役立てているようです。
当院では入院期間の長さがかねてからの課題です。病院ダッシュボードで分析すると、「平均在院日数」と「入院期間II超割合」の偏差値は共に50を大きく割り込んでいました。これは、当院でのこれらの指標が全国の同規模病院の水準からかけ離れていて、すぐにも改善が必要なことを意味しています。そのため、病院ダッシュボードを活用しながら入院期間の最適化に早速、取り組みはじめました。
改善策は、院内での機能分化の推進とベッドコントロールの徹底が柱です。急性期の1病棟(46床)を15年4月に地域包括ケア病棟に切り替え、急性期の治療が一段落した患者さんのための受け皿として活用し始めました。肺炎や脳梗塞など全国的に症例数が多い疾患や、1日当たりのDPC点数(日当点)が1800点を割り込んだ患者さんには、こちらに優先的に移っていただくようにしています。
これによって急性期病棟では入院期間の短縮が進み、病院全体での偏差値は「平均在院日数」で13ポイント、「期間II超え割合」で11ポイントも1年間に上がりました。これによって、一般病棟での1日単価は5000円アップしました。しかも、肺炎や脳梗塞といった症例での入院期間短縮は、機能評価係数IIの「効率性係数」を引き上げるのに非常に有効です。そのため、16年度にはこの係数の評価がかなり上がるはずだと期待しています。
ただ、入院期間を最適化できているとまではまだ言えません。現在は改善の糸口を見いだすことができた段階にすぎず、引き続き改善が必要です。
15年12月には、急性期のさらに1病棟(42床)を地域包括ケア病棟に切り替え、現在は2病棟(88床)体制で運用しています。病院ダッシュボードで院内の患者構成をあらかじめ分析し、地域包括ケア病棟へのニーズが十分にあると見込んでいました。
地域包括ケア病棟が創設された14年度の診療報酬改定から1年8か月が経ち、この病棟を整備しようという動きがほかの急性期病院にも広がっているようです。こうした動きがさらに本格化すれば、この地域での急性期や回復期の医療需給のバランスが大きく変わる可能性もあるでしょう。
地域医療の再編にどう対応していくのかは、病院全体で決めなければならないとても大切な課題です。これからも病院ダッシュボードで医療ニーズの推移をモニタリングしながら、わたしたちの病院の将来像を見極めていこうと思います。
社会医療法人財団大樹会 総合病院 回生病院
住所:〒762-0007 香川県坂出市室町3丁目5番28号
http://www.kaisei.or.jp/
広報部 | |
![]() | 事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。 |
Copyright 2022 GLOBAL HEALTH CONSULTING All rights reserved.